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オレキシン受容体拮抗薬の特徴について勉強できます!
こんにちは!
今回はオレキシン受容体拮抗薬の特徴についてそれぞれ勉強していきます。
オレキシン受容体拮抗薬には、ベルソムラとデエビゴがあります。
※ベルソムラ=スボレキサント デエビゴ=レンボレキサント
皆さんはオレキシン受容体拮抗薬についてご存じでしょうか。
オレキシン受容体拮抗薬とは、過剰に活性化されている覚醒システムを抑える医薬品です。
オレキシン受容体に拮抗することで覚醒状態から睡眠状態へ促します。
また中途覚醒や熟眠障害に使われる薬であり、依存形成が極めて僅かといわれています。
では軽い紹介はこの辺りにしておいて、これから詳しく勉強していきましょう。
ぜひ最後まで読んでいってください。
オレキシン
オレキシンは覚醒と睡眠を調節する神経伝達物質の1つです。
オレキシン受容体に作用することで覚醒システムを活性化させる伝達物質です。
オレキシン受容体には、オレキシン受容体1及びオレキシン受容体2があります。
オレキシン受容体1はレム睡眠の抑制に関与
オレキシン受容体2はレム睡眠の抑制及び覚醒に関与
人はレム睡眠時に夢を見ます。そのためこれらの薬を服用すると夢を見る方が増えます。
ベルソムラもデエビゴもこの両受容体に拮抗しますが、作用の度合いが異なります。
そのため夢見や催眠効果にも差があります。
ベルソムラ デエビゴ比較
ベルソムラ
通常20㎎を服用しますが、高齢者は15㎎を就寝前に服用します。
無包装状態では1か月でコーティングが割れ、溶出速度も低下するため一包化は不可です。
そのため他の処方薬を一包化していてもこの薬のみはヒートでお渡しする必要があります。
ベルソムラはオレキシン受容体を1も2もどちらも同様に拮抗する医薬品です。
上述したように、人はレム睡眠時に夢を見ると言われています。
そのためレム睡眠の抑制を抑制するベルソムラでは、悪夢を見るという副作用があります。
嫌なことがあって眠れない人は注意して使用する必要があるでしょう。
さらに、この医薬品で最も注意しなければいけないことは併用禁忌の多さです。
ベルソムラがCYP3Aを強く阻害するため、それらで代謝される薬の多くが併用禁忌です。
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
リトナビル
ボリコナゾール etc
主にこれらの医薬品がベルソムラと併用禁忌とされています。
デエビゴ
通常5㎎を服用しますが、症状により最大10㎎まで増量可です。
ベルソムラとは異なり一方化ができるメリットがあります。
また、デエビゴもベルソムラと同様にオレキシン受容体1及び2に拮抗します。
しかしオレキシン受容体2により強く作用するため副作用の悪夢が軽減されています。
悪夢に怯えることが減るのはかなり大きなメリットと言えるでしょう。
さらにデエビゴには、一包化や悪夢以外にもメリットがあります。
それは、デエビゴは併用禁忌がほぼないということです。
ベルソムラの項目で挙げた併用禁忌の薬は、デエビゴでは併用注意になっています。
デエビゴが禁忌になるのはこの薬での過敏症があった方や重度の肝機能障害の方です。
併用禁忌が少なくなるのは処方箋監査をするうえで非常に助かりますよね。
まとめ
今回はオレキシン受容体拮抗薬について勉強しました。
ベルソムラとデエビゴは似通った薬ですが、様々な相違点があります。
特にデエビゴのメリットには目を見張るものがあります。
また薬の比較に関するおすすめの書籍があるので、良ければ活用してみてください。
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では、今回はここまでです。皆さんお疲れさまでした。
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